引き戸と開き戸、どっちがいい? ”開けっ放しにするか”で決めるんです

建具の考え方|引き戸と開き戸、どっちがいい?"開けっ放しにするか"で決めるんです
間取りの考え方

こんにちは!建築士の竹本です。

「引き戸と開き戸、どっちがいいの?」……これ、本当によく聞かれます。

結論から言うと、普段開けっ放しにする場所は引き戸、こもりたい部屋はドア(開き戸)です。そして引き戸は、3種類を場所に合わせて使い分けます。

扉って地味ですよね。でも実は、住んでからの毎日のストレスに、めちゃくちゃ効くんです。

この記事では、①引き戸と開き戸の選び方、②引き戸の3種類と僕の使い分け、③費用とスイッチの位置、④見落としがちな注意点、を話しますね。


開けっ放しにする部屋は、引き戸

開けたまま行き来する場所は、引き戸が気持ちいいです。

LDK、洗面まわり、毎日何度も通る場所。開けっぱなしで使うところは、断然引き戸です。

いちいち開け閉めしなくていい。これ、地味にラクなんですよ。洗濯のたびに通る場所なんて、引き戸にするだけで満足度が全然違います。

「でも、引き戸って音やニオイが漏れない?」と思いますよね。……正解です(笑)。引き戸はドアよりすき間ができやすいんです。

だから、トイレや寝室、書斎みたいな”こもりたい部屋”は、しっかり閉まるドアのほうが落ち着きます。

開けとくか、閉めとくか。これだけで、ほぼ迷わなくなりますよ。

引き戸 開き戸(ドア)
向いている場所 LDK・洗面まわり・毎日何度も通る場所 トイレ・寝室・書斎
使い方 開けたまま行き来できる しっかり閉まって落ち着く
費用 ドアより高め 抑えやすい
気をつけること 戸が重なる壁に、スイッチやコンセントを付けられない 開いた扉が、物や人に当たらないか

「うちの場合はどうなんだろう?」と思ったら、今の図面を、僕と一緒に見直しましょう。


引き戸は3種類。僕はこう使い分けています

引き戸には「片引き戸」「引き込み戸」「アウトセット引き戸」の3種類があって、場所に合わせて使い分けます。

ひと口に引き戸と言っても、実は3種類あるんです。意外と知られてないんですよね。

種類 どんな形? 僕が使う場面
片引き戸 開けると、戸が片方の部屋の壁に沿って見えている 基本はこれ。費用が一番抑えられる
引き込み戸 開けると、戸が壁の中に入って見えなくなる 両側の部屋で壁に棚や備品を付けたいとき。空間をすっきり広く見せたいとき
アウトセット引き戸 壁の外側にレールを付けて、壁の表面を滑らせる 構造上抜けない壁があって、壁の中に引き込めないとき

基本は、片引き戸。なんといっても費用が一番抑えられます。

戸が壁に沿って見えている片引き戸(設計実例)
片引き戸の例 設計実例(K様邸)

でも、両側が部屋で、壁に棚や備品を付けたい!ってときは、戸が壁の中に消える引き込み戸に。戸が見えないので、空間もすっきり広く見えます。

構造上どうしても抜けない壁があるときは、アウトセット。壁の外側に沿わせて付けます。

ちなみに僕の家のリビングの大きな扉も、アウトセット引き戸なんです。

アウトセット引き戸を開けたところ(設計実例)アウトセット引き戸を閉めかけたところ(設計実例)
アウトセット引き戸の例 設計実例(T様邸)

費用と、スイッチ・コンセントの位置もセットで

費用はドアのほうが抑えられます。引き戸にするなら、スイッチやコンセントの位置まで一緒に考えてください。

お金の話をすると、引き戸よりドアのほうが安いです。引き戸の中なら、片引き戸が一番安く済みます。

で、ここからが大事! 戸が開いたときに重なる壁には、スイッチもコンセントも付けられないんです。

「スイッチを付けたいところに、戸が来ちゃう……」。これ、本当にあるあるです。

だから僕は、扉の種類を決めるとき、スイッチやコンセントの位置と、部屋の見栄えまでセットで考えています。


脱衣室は、”服が当たる”ので引き戸

脱衣室は、着替えのときに服やタオルが当たるので、引き戸がおすすめです。

これ、図面だと気づきにくいんですけど……。

脱衣室のドアって、着替えてるときに、脱いだ服やタオルにバンバン当たるんです(笑)。図面では納まってても、実際に使うと地味に窮屈。

なので脱衣室は、引き戸。これでスッキリです。


天井の物干しと、ドアの”当たり”

天井付けの物干しとドアは、ぶつからないか図面の段階で見ておいてください。

最後にひとつ。これ、プロでも見落としがちなやつです。

天井に物干しを付けると、開いたドアが、物干しや干した洗濯物に当たっちゃうことがあるんです。

物干しとドアが近いところは、図面の段階で、扉の開く向きと物干しの位置を一緒にチェック。図面だけだと分かりにくいときは、間取り相談で一緒に見ますよ。

洗濯動線の考え方は、こちらの記事で書いています。


まとめ

  • 開けっ放しにする部屋は引き戸、こもる部屋はドア
  • 引き戸は3種類。基本は片引き戸、壁の両面を使いたいときは引き込み戸、抜けない壁があるときはアウトセット
  • 費用はドアのほうが安い。スイッチ・コンセントの位置もセットで考える
  • 脱衣室は服が当たるので引き戸
  • 天井の物干しとドアの当たりは、図面の段階でチェック

扉の種類を考えるときに、

「この扉は、普段開けておきたいかな? 閉めておきたいかな?」

ということを考えてみてください。

答えによって、引き戸か開き戸かが自然に決まります。

難しい場合は、ぜひ気軽に相談してください!


建築士・竹本耕平
竹本 耕平建築士

株式会社Stand By Life 代表。住友林業・積水ハウスでの設計担当を経て独立し、これまで17年・500棟以上の家づくりに携わる。新築設計のプロジェクトを手がけながら、Instagramでは全国の“間取り迷子”の方に向けて、間取りの考え方を発信中(フォロワー1万人以上)。

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