書斎は作っても使わない? 一番”使われなくなる部屋”になりがちです

配置の考え方|書斎は作っても使わない?一番"使われなくなる部屋"になりがちです
間取りの考え方

こんにちは!建築士の竹本です。

「書斎、作っても本当に使いますか?」って、よく聞かれます。

結論から言うと、書斎は家の中で一番”使われなくなる部屋”になりやすいんです。専用の部屋を無理に作るより、余っている部屋で代用するか、収納の奥に”ついで”で仕込むのがおすすめです。

在宅ワークが増えたこともあって、書斎のご相談はすごく多いです。でも、お引き渡しのあとに一番よく見かけるのが、「作ったのに、結局物置になっちゃった」パターン。これ、本当に多いんです。

……と偉そうに言ってますが、実は僕も、家を建てるときは完全に「書斎が欲しい派」でした(笑)。だからこそ、本音で話しますね。


「2マスのカウンターだけ」は、危ないんです

壁に向かって2マスのカウンターを付けただけのスペースは、ほとんど使われません。

一番ありがちなのが、廊下の隅やLDKの一角に、壁に向かってカウンターを1枚付けただけの2マス(約1.6m)スペース。

よく「子どものスタディスペースやちょっとしたワークスペースに」と計画されますが、正直なところ、僕は自分の家でもやってみて「ほぼ使わないな」と実感しました。

せっかく広くて気持ちいいLDKがあるのに、子どもがわざわざ壁に向かってポツンと勉強します? しないですよね(笑)。

それなら壁付けカウンターにするよりも、壁面は家族の本棚にして、ダイニングに大きなテーブルを置いて親と一緒に広々と勉強するスタイルのほうが、ずっと自然に使えます。こっちが断然おすすめです!

壁向きの2マスカウンター ダイニングの大きなテーブル+壁面の本棚
使われ方 ほとんど使われない 家族と一緒に、自然に使える

「うちの場合はどうなんだろう?」と思ったら、今の図面を、僕と一緒に見直しましょう。


「本当に今、専用の部屋が必要か?」を問い直す

「そこで、何を、いつ、どうやって使うか」を先に考えてください。

「書斎が欲しいから」と無理して専用の小部屋を作るのも、正直あまりおすすめしていません。

だからご相談を受けたとき、僕はいつもこう問いかけます。「そこで、何を、いつ、どうやって使いますか?」と。

たとえば「在宅ワークで個室が必要」だとしても、

  • お子さんが小さくて使っていない部屋があるなら、今はそこを作業部屋にできないか?
  • お子さんが成長してその部屋を使うようになる頃、自分は本当に同じペースで在宅ワークをしているか?
  • 毎日使うリビングの広さや収納の面積を削ってまで、独立した書斎を優先すべきか?

ライフステージが変われば、暮らし方も働き方も変わります。日々の生活面積や収納を削ってまで専用室を作る価値があるのか、一度、冷静に天秤にかけてみてください。


僕自身が体験した、書斎と働き方のリアル

僕自身、書斎は作らず、今は余っている部屋で快適に仕事をしています。

余っている部屋を作業部屋として使っている様子
設計実例(I様リノベ)

自宅を建てた当時、僕は会社員でした。持ち帰った残業やちょっとした作業をするために、「絶対に自分の書斎が欲しい!」と強く思っていたんです。

でも妻は「絶対いらない!!」と(笑)。

当時はアパート暮らしで作業するスペースが無く、会社で残業するよりも持ち帰ったほうが…と単純に考えていましたが、家族としっかり話し合って、先々の暮らし方を考えた結果、無理に専用の書斎を作るのはやめました。

現在は思わぬきっかけで独立して自営業になり、それこそフル在宅ワークになりましたが、今どうしているかというと……子ども部屋などの余っている部屋を使って、快適に作業できています。

将来の暮らし方なんて、誰にも完璧には読めません。だからこそ言い切れます。家の中で一番“使われなくなる部屋”になりやすいのが、まさに「用途を限定しすぎた書斎」なんです(笑)。


もし作るなら、”ついで”に仕込むのが正解

こもれる場所が欲しいなら、収納の奥に”ついで”で仕込むのが一番ムダがありません。

窓辺のベンチと本棚に、ついでに仕込んだカウンター
設計実例(I様リノベ)

どうしてもこもれる居場所が欲しい場合でも、独立したひと部屋として面積を取る必要はありません。

おすすめなのは、ウォークインクローゼットの奥や、収納を抜けた先のデッドスペースに、こっそり作業スペースを仕込む方法です。

家族しか入らない場所なので、適度なおこもり感があって秘密基地のように落ち着きますし、将来使わなくなってもそのまま収納スペースとして無駄なく吸収できます。

「書斎のために専用の床面積を割く」のではなく、「他の空間のついでに、柔軟に使える居場所を仕込む」。このほうが、コスパも使い勝手も断然いいです!

ウォークインクローゼットの考え方は、こちらの記事で書いています。


まとめ

  • 壁に向かうLDKカウンターは使われにくい。大きなテーブル+本棚がおすすめ
  • 子ども部屋などの余り部屋で代用できないか、ライフステージを先回りして考える
  • 書斎は家の中で「一番余りやすい部屋」。専用室を無理に作らない
  • こもりたいなら、WICや収納の奥に”ついで”で仕込むのが最も無駄がない

書斎がほしいなと思ったときに、

「その書斎で、何を、いつ、どうやって使いたいかな?」

ということを考えてみてください。

具体的に思い浮かばないなら、専用の部屋はまだ要らないかもしれません。

難しい場合は、ぜひ気軽に相談してください!


建築士・竹本耕平
竹本 耕平建築士

株式会社Stand By Life 代表。住友林業・積水ハウスでの設計担当を経て独立し、これまで17年・500棟以上の家づくりに携わる。新築設計のプロジェクトを手がけながら、Instagramでは全国の“間取り迷子”の方に向けて、間取りの考え方を発信中(フォロワー1万人以上)。

プロフィールを見る →

あわせて読みたい

← ブログ一覧へ戻る
問い合わせしてみる