西向きの土地は失敗? 僕があえて西向きを選んだ理由

窓・採光の考え方|西向きの土地は失敗?僕があえて西向きを選んだ理由
土地のこと

こんにちは!建築士の竹本です。

「西向きの土地って、やっぱり失敗?」「窓は多いほど、明るくて広いでしょ?」……これ、本当によく聞かれるんです。

結論から言うと、広く感じるかどうかは、方角や窓の数じゃなくて「外に視線が抜けているかどうか」で決まります。

窓を増やせば、確かに明るくはなります。でも、広さは別の話。抜けている窓が一つあれば、家はちゃんと広く感じるんです。僕がわざわざ西向きの土地を選んだのも、それが理由です。

この記事では、①僕が西向きの土地を選んだ理由と西日対策、②周りが建て込んだ土地での開き方、③窓を減らすときの選び方、の3つを話しますね。


僕、わざわざ”西向き”の土地を選んだんです

方角の教科書どおりなら選ばない土地でも、抜けがあれば、住んで後悔はありません。

窓の外の庭まで視線が抜けるLDK

僕の土地は、西に抜けがある分譲地。たぶん西日が強いのがネックで、売れ残っていた区画でした。

でも、視界がパッと開けているのは西側だけ。だったら、そっちに大きく開くしかないですよね。

「でも、西日ってやっぱり暑くないですか?」――これ、本当によく聞かれます。

答えはシンプルで、窓を小さくするんじゃなくて、作りで抑えています。

  • 軒を、通常よりかなり深くする
  • 窓の近くに植栽を植える
  • 室内は、上下で光を調整できるパーテーションにする

方角より、抜けが勝つこともある。ここ、けっこう大事です。

日当たりを”方角”じゃなく”時間”で考える話は、こちらの記事で書いています。

「うちの場合はどうなんだろう?」と思ったら、今の図面を、僕と一緒に見直しましょう。


隣が迫ってても、”一か所”抜けてれば作れる

周りが建て込んでいても、抜けている方向が一か所あれば、そこに向けて開くだけで広く感じます。

「北も東もアパート、南も戸建てが迫ってる土地の間取りなんですけど、どうしたらいいですか?」って相談を受けました。建築会社の担当さんには「仕方ないですね」って言われてたんです。

でも、よーく見ると、東の一部だけ抜けてたんです。そこで建物をL字にして、東の少し開けている方向に窓を設けて。ソファに座ると、視線が遠くまでズバーンと抜ける配置です。建てたあとに「かなり満足している」と聞いて、僕もうれしくなりました!

窓の数は減ったけど、体感は明らかに広くなりました。

窓って、景色を切り取る”額縁”なんですよね。お隣の壁を切り取った額縁を何枚並べても、部屋は広くなりません。抜けている方向の1枚。これがいちばん効きます。


窓を減らすなら、「一番長く過ごす場所」を残す

残す窓は、明るさではなく「一番長く過ごす場所」で選んでください。

予算調整などで「窓を一つ減らそう」ってなること、ありますよね。そのとき、どれを残すべきか。

「窓を減らしたら、暗くなりませんか?」って心配になりますよね。だから、だいたいの方は「こっちは暗くなるから残そう」と、明るさを基準にしがちです。

よくある選び方 おすすめの選び方
基準 暗くなるほうを残す 一番長く過ごす場所を残す
理由 明るさが心配だから 明るさは照明で足せるけど、外の景色は足せないから

たとえば、ソファでくつろぐ時間、ダイニングでお茶を飲む時間。自分が一番長く過ごす「居心地を良くしたい場所」にこそ、ふっと外を眺められる窓を残してください。

あと、これは覚えといてほしいんですけど——窓は、後から足せません。壁を壊して構造を触ることになるので。減らすときは、慎重に。


まとめ

  • 窓は数より「どこに抜けるか」
  • 西日は、窓を小さくせず、軒・植栽・室内の調整で抑える
  • 隣が迫ってても、一か所抜けてれば広く作れる
  • 窓を減らすなら「一番長く過ごす場所」を残す
  • 窓は後から足せないので、慎重に

外観を見るのは、帰ってきたときの数秒。その窓から外を見るのは、毎日何時間もですからね。

窓の位置を考えるときに、

「この家で、一番外に抜けている方向はどっちかな?」

ということを考えてみてください。

窓の数や大きさより先にここを決めるのが、間取りの出発点です。

難しい場合は、ぜひ気軽に相談してください!


建築士・竹本耕平
竹本 耕平建築士

株式会社Stand By Life 代表。住友林業・積水ハウスでの設計担当を経て独立し、これまで17年・500棟以上の家づくりに携わる。新築設計のプロジェクトを手がけながら、Instagramでは全国の“間取り迷子”の方に向けて、間取りの考え方を発信中(フォロワー1万人以上)。

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