60歳過ぎたら2階で寝てはいけないの? 自宅で2階に水回りを配置した理由

配置の考え方|60歳過ぎたら2階で寝てはいけないの?自宅で2階に水回りを配置した理由
間取りの考え方

こんにちは!建築士の竹本です。

「60歳を過ぎたら、2階で寝ないほうがいいですか?」「老後のために、お風呂や寝室は1階にしておきたい」——これ、間取りの打ち合わせで、ほぼ必ず出てくるご要望です。

結論から言うと、「2階=老後アウト」と決めつけなくて大丈夫です。今を窮屈にしてまで1階に詰め込むより、各スペースにゆとりを持たせた家のほうが、何十年も心地よく暮らせます。

将来に備えたくなる気持ち、めちゃくちゃわかります。僕の自宅も水回りを2階にしているので、その実感も含めて話しますね。


1階に詰め込みすぎて、”窮屈な家”になっていませんか?

1階完結にこだわりすぎると、1階がパツパツになって、敷地の良さが消えてしまいます。

「老後のために」と、LDKに寝室、お風呂、洗面、収納……と、みんな1階に詰め込もうとするんです。

その結果、1階がパツパツに。庭とのつながりや開放感、リビングの広がりといった、せっかく手に入れた「その敷地ならではの良さ」を活かす余裕が、どこにもなくなってしまいます。

1階完結は、確かに一つの理想です。でも、30年後・40年後のためだけに、今どこにもゆとりがない家に住む。……これ、もったいなくないですか?

「うちの場合はどうなんだろう?」と思ったら、今の図面を、僕と一緒に見直しましょう。


「2階水回りなんて大丈夫?」と言っていた親が、普通に寝室へ上がっていった話

寝室が2階にあるなら、お風呂が1階にあろうがなかろうが、どのみち毎晩階段を上がるんです。

寝室を1階にしない限り、水回りだけ1階にしても、階段は毎日使うんですよね。

2階の洗面から出られるバルコニー(設計実例)
設計実例(T様邸)

実は僕の自宅も、お風呂などの水回りをあえて2階にしています。家を建てるとき、妻の両親から「2階に水回りなんて、将来どうするの?」とかなり心配されました。

でもある日、遊びに来たその両親が、ピンピンした足取りで「おやすみー」と普通に2階の寝室へ上がっていったんですよね(笑)。

「2階だから暮らせない」なんてことはないんです。どのライフステージでどう暮らすかで、見え方はまったく変わります。


30年後の心配より、”これからの何十年”の余裕を優先する

将来が心配なら、1階に「あとで水回りを下ろせる余白」だけ確保しておけば十分です。

もちろん、30年後や40年後に足腰がしんどくなる可能性は誰にでもあります。でも、だからこそ僕が提案したいのは、最初から1階にすべてを詰め込んで今を窮屈にするのではなく、各スペースにゆとりを持たせた家づくりです。

具体的には、1階の収納や和室を、将来お風呂と洗面に変えられる位置に置いておく。そして、配管を通せるルートを先に考えておく。この2つを押さえておけば、いざというときに水回りを1階へ下ろすことができます。

1階に全部詰め込む 2階に逃がして、ゆとりを持たせる
今の1階 LDK+寝室+水回りでパツパツ LDKと庭のつながりを思いっきり開放的にできる
将来 そのまま暮らせる 1階の余白に、水回りを下ろせる
これからの何十年 どこにもゆとりがない 家全体にゆとりを感じながら暮らせる

僕自身、自宅をこの形にして本当によかったと思っています。だから、自信を持っておすすめしています。

それでも「全部1階で暮らしたい」という方には、平屋という選択肢もあります。費用の考え方はこちらの記事で書いています。


まとめ

  • 1階完結にこだわりすぎると、1階がパツパツになり敷地の良さが消えてしまう
  • 寝室が2階ならどのみち上がる。「2階=老後アウト」と決めつけない
  • 不確かな30年後を恐れて今を狭くするより、空間に余裕を持たせた設計が暮らしを豊かにする
  • 将来が心配なら、1階に「あとで水回りを下ろせる余白」を残しておく

老後のことが気になったときに、

「30年後より、これからの何十年をどう暮らしたいかな?」

ということを考えてみてください。

将来が心配なら、1階に「あとで水回りを下ろせる余白」を残しておくだけでも十分です。

難しい場合は、ぜひ気軽に相談してください!


建築士・竹本耕平
竹本 耕平建築士

株式会社Stand By Life 代表。住友林業・積水ハウスでの設計担当を経て独立し、これまで17年・500棟以上の家づくりに携わる。新築設計のプロジェクトを手がけながら、Instagramでは全国の“間取り迷子”の方に向けて、間取りの考え方を発信中(フォロワー1万人以上)。

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