一番いい場所、収納にしていませんか? 「服は、外を見ない」んです

広く見える家のつくり方|一番いい場所、収納にしていませんか? 「服は、外を見ない」んです
収納・家事動線

こんにちは!建築士の竹本です。

「どの部屋を、どこに置けばいいですか?」って、よく聞かれます。

結論から言うと、その土地で一番いい場所は、一番長くそこにいる人に渡してください。収納や水回りは、建て込んでいる方向に寄せるのが基本です。

意外と多いのが、一番いい場所が収納になっている間取りなんです。実際にあった例から話しますね。


一番いい場所が、クローゼットになってた話

服は外を見ません。一番いい場所を、一番なにも感じない用途に使うのはもったいないです。

以前、こういう間取りを見たことがあります。

その土地で唯一、視線が抜けてる方向が北西でした。周りが建て込んでる中で、そこだけ抜けてたんです。

その一番いい場所が、ウォークインクローゼットになってました。

でも、服って、外を見ないんですよ。

一番いい場所を、一番なにも感じない用途に使っちゃってる。その方はテレワークをされてたので、そこを書斎に変えました。一日の大半を、抜けのある方向で過ごせるようになる。同じ面積で、生活の質が変わりますよね。

「うちの場合はどうなんだろう?」と思ったら、今の図面を、僕と一緒に見直しましょう。


割り当ての順番は、シンプルです

部屋の割り当ては「抜ける方向 → 長くいる場所 → 収納・水回りを寄せる」の順です。

  • その土地で、抜けてる方向・日当たりのいい面を探す
  • 一日で一番長く過ごす場所を、そこに向ける
  • 建て込んでる方向に、水回りと収納を寄せる

寝室って、寝ることと収納しかしない部屋です。寝てる間、日当たりは関係ないですよね。

なのに、南の一番いい面が寝室になってる間取り、けっこうあるんです。教科書どおりに並べると、そうなりやすいんですよ。


「北側リビング」、正解になることがあります

北が抜けているなら、北側リビングは正解です。

「北側リビング」って聞くと、身構える方が多いです。

でも、北が抜けてるなら、北側リビングは正解ですよ。

直射日光は入らない。その代わり、外が明るくて、一日中安定した光が入る。写真を撮る人が北向きの光を好むのは、これが理由です。

「南だからLDK」じゃなくて、「抜けてるからLDK」なんですよ。方角じゃなくて、抜けで決める。

南向きのリビング 北が抜けている北側リビング
光 直射日光が入る 一日中、安定した光が入る
決め方 「南だからLDK」 「抜けてるからLDK」

日当たりを方角ではなく時間で考える話は、こちらの記事で書いています。


玄関の正面は、収納より”窓”

玄関を開けた正面は、収納より窓にしてください。

最後にひとつ。

玄関を開けた正面に、見せる収納棚を作るプラン、よく見ます。おしゃれな写真もたくさんありますよね。

でも、見せる棚は、必ず散らかります。そして最終的にロールスクリーンで隠すことになる。何度も見てきました。

収納は横に寄せて、正面は窓にしてください。入った瞬間、外に抜ける。その先に植栽が見えれば、それだけで玄関の顔になりますよ。


シリーズのまとめ

10回、広く見えるお家の話をしてきました。全部を一言でまとめると、これです。

「面積を増やす前に、視線が届く距離を伸ばす。そして一番いい場所を、一番長くそこにいる人に渡す」

向きを変える、扉をずらす、面を揃える、収納の場所を入れ替える。どれもほとんどお金がかからないのに、住んでからの体感は大きく変わります。

部屋の配置を考えるときに、

「この家で、一番長く過ごすのはどこかな?」

ということを考えてみてください。

その場所に、土地の一番いい方向を渡してあげてください。収納や水回りは、そのあとで大丈夫です。

難しい場合は、ぜひ気軽に相談してください!


建築士・竹本耕平
竹本 耕平建築士

株式会社Stand By Life 代表。住友林業・積水ハウスでの設計担当を経て独立し、これまで17年・500棟以上の家づくりに携わる。新築設計のプロジェクトを手がけながら、Instagramでは全国の“間取り迷子”の方に向けて、間取りの考え方を発信中(フォロワー1万人以上)。

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